銘柄分析;3179 シュッピン(Part1)

今回は3179 シュッピンを取り上げます。

今後の予想はほどほどに、a)過去の上昇の背景、b)個人投資家が”乗れた”のか、c) 適正PERについて考えをまとめてみたいと思います。

 

1.業績推移

セグメント別の売上・粗利も開示されていますがここでは割愛しています。

また、今回はQ毎の数値推移も割愛しています。

a)全社

単位: 百万円                
全社累計                
Q YYYYMM 売上 原価 粗利 粗利率 販管費 販管費 営業益 営業益率
4 201203 10,072 8,108 1,964 19.50% 1,752 17.39% 212 2.10%
4 201303 12,463 10,112 2,351 18.86% 1,961 15.73% 390 3.13%
4 201403 15,604 12,677 2,927 18.76% 2,225 14.26% 702 4.50%
4 201503 19,166 15,818 3,348 17.47% 2,462 12.85% 886 4.62%
4 201603 22,705 18,976 3,729 16.42% 2,897 12.76% 832

3.66%

店舗は本店の1つしかないにも関わらずEC事業の伸びにより売上が毎年増加しています。

EC事業の伸びにより販管費率が毎年良化しています。

他方、粗利率が低下しているのが気になるところです。原因の一つにはインバウンド需要の急増、後に続いた急減の影響があると思いますが、この水準で持ちこたえられないと営業益率も低くなってしまうでしょう。

 

2.事業概要

カメラ、時計、筆記具、自転車の販売で、新品よりも中古品で利益を出しているようです。

本店以外には店舗を持たず残りはEC事業により売上を伸ばしてきました。

 

3.今後の見通し

通常の小売り事業のような多店舗展開による売上増は、店舗を本店しか持たないゆえ見込めません。

引き続きEC事業を成長させていくことができるかどうか、適正な粗利率を確保できるかどうかが重要です。

 

4.過去の上昇の背景

ここ数年の株価を見てみると、2014年3月期の安値200円(分割考慮後)から、2016年3月期高値の2,149円、あるいは2015年3月期の高値1,960円と10倍前後の上昇を記録しています。

この背景には、a)アベノミクスによる相場全体の上昇、b)インバウンド需要を追い風にした銘柄特有のカタリスト、c)業績上昇に裏付けられた割安度の見直しがあったと考えています。

 

a)アベノミクスによる相場全体の上昇

日経平均Topix、マザース指数の上昇を見ればその影響は言うまでもないと思います。

 

b)インバウンド需要を追い風にした銘柄特有のカタリスト

爆買いの言葉が飛び交った時期と株価上昇の時期がたしか同時期で連想買いがあったものと考えています。

 

c)業績上昇に裏付けられた割安度の見直し

2012年3月期の売上は100億円、営業利益は2億円でした。

2013年3月期、2014年3月期も増収増益で、

2015年3月期の売上は200億円弱、営業利益は9億円弱でした。

 

2016年3月期はどうなると思いますか?

まず増収増益と考えるのではないでしょうか?

実際には異なる結果となりましたが、増収増益が期待できる企業であれば先の利益も株価に織り込まれることが期待できます。

 

ここまで、過去の上昇の背景について説明してきました。

次回は、個人投資家が”乗れた”のか、適正PERについて、私の考えをまとめて銘柄分析を終わりにしたいと思います。